是正勧告への対応

2023年9月1日

1.是正勧告とは何か?

そもそも労働基準監督署とは

厚生労働省の地方分局で、全国46都道府県に321箇所に2010年現在2474人(非常勤含まず)の職員が配置されています。

その役割は、労働基準法および労働安全衛生法・最低賃金法などの法律に基づいて、労働条件確保・改善の指導、安全衛生の指導、労災保険の給付などの業務を行うことです。

労働基準法の実効性を確保するために、逮捕権や捜査権をもつ、強力な権限を持つ機関です。
鹿児島では、鹿児島市、川内、鹿屋、加治木、名瀬の5か所にあります。

そもそも是正勧告とは

労働基準監督署が調査を行った結果、労働基準法や安全衛生法に関する法令違反があった場合に指導がなされるのが「是正勧告」です。そのときに出される指導票が「是正勧告書」「指導票」です。

是正勧告は行政処分ではなく、行政指導ですから強制力はありません。
だからといって放置しておくと、各法律による罰則が科される恐れもありますので、放置をすることは危険です。
もしも「是正勧告書」が発行された場合は、対応せざるを得ないのが現実です。

2.是正勧告の種類

定期監督

最も一般的な調査で、法令全般にわたって調査を行います。
監督官がいきなりやってくることもありますし、アポをとってやってくることもあります。
その年の監督計画などにより規模、地域、業種などにより調査を行う企業を決めているようです。

災害時監督

大きな労働災害や、多数の労働以外が発生したときに行う、原因究明や再発防止の指導のために行われる調査。

申告監督

労働者からの申告があった場合に行われる調査。定期監督を装うケースもあれば、申告監督であることを告知して行われることもあります。申告の信用度がある程度あれば、監督官も調査を行わざるを得ないですし、この申告監督が最近特に多くなっています。

再監督

是正勧告を受けた場合に、その是正が確認するための調査や、是正の期日までに提出されなかった場合に再度行われる調査

3.是正勧告を受けた場合の注意点

提出期限は必ず守ることです。
もしも守れない場合は、提出が遅れることを連絡しておきましょう。

4.是正勧告の内容

大きく分けると次の通り
①労働時間、休憩、休日、休暇に関すること
②割増賃金の不払いに関すること
③就業規則、労使協定、36協定など、手続きや届けの不備に関する事
④就業規則や雇用契約書や労働者名簿など、書類の不備に関すること
⑤安全衛生上の施設管理の不備
⑥安全衛生上の組織や教育に関する不備
⑦重機や機械等の点検や管理面での不備
⑧重機や機械等を操作するための講習や免許などの不備
などです。

5.是正報告終了後のアドバイス

是正勧告を提出して、是正勧告をやり過ごして終了では残念です。
是正勧告を契機として会社をよりよい方向に改善していくべきだと考えます。労務管理の見直しを図りましょう。
事情によってはいきなりというのは、難しいこともあるかもしれませんが、できるところから少しずつでも会社をより良くしていく工夫と努力が必要だと思います。


当事務所では、そのような視点から是正勧告に対応するお手伝いをさせていただきます。