WITHコロナ期の事業承継におけるM&Aの可能性

2023年9月1日

新型コロナウイルスの影響で多くの企業が倒産や休廃業に追い込まれていますが、事業承継にも影を落としています。

今日は、事業承継に悩む企業がどのように存続を考えていくべきかというお話です。M&Aによる事業の譲渡も、注目されています。

東京商工リサーチによると、新型コロナウイルスの影響で経営破たんした企業は7月8日現在で317社にもなり、2020年の倒産件数は7年ぶりに1万件を超える見通しだそうです。

でも、この経営破たん件数の中には、自主的な休廃業は含まれていません。

例えば、後継者がいないなど事業承継に悩んでいたところに、新型コロナウイルスの影響を受けて廃業を決断したようなケースです。

ニュースで、飲食店や旅館などの老舗の廃業が報道されていますが、多くはこのパターンです。

中小企業で事業承継がうまくいかないことは以前から問題になっています。

高齢になった社長さんが後継者を決めようにも、子どもがいない、いても別の仕事をしていて継ぐ気もない、また、社内にも適任者がいないとなれば、自分の代で廃業を決めてしまう傾向があるということです。

政府もこの事業承継問題に危機感を抱いていて、現状を放置すると2025年までの累計で約650万人の雇用と約22兆円のGDPが失われる可能性があるとしています。

そこで、いま見直されているのがM&Aです。

中小企業の社長さんの中には、会社を人の手に渡すくらいなら廃業する!と言われる方もおられますし、そのお気持ちもわかります。

でも、このM&Aでうまく事業を譲渡できれば、これまでやってきた事業を残せますし、従業員も仕事を続けていくことができます。

廃業を決断する前に、M&Aの可能性についても考える必要があるのではないでしょうか。

政府はこのコロナ禍で、M&Aで活用できる補助金やファンドの創設、また、全国の商工会議所などに設置されている「事業引継ぎ支援センター」の体制強化などを行っています。

当社でも、士業ネットワークを活用して、「事業承継」のお手伝いをさせていただいています。

→お問い合わせはこちらまでhttps://e-sr.net/wp_bk/contact/ 

【出典】経済産業省(https://www.meti.go.jp/covid-19/support/04/04_05.pdf

また、非上場会社で親族や従業員などに事業を承継する場合に適用される事業承継税制についても、コロナ禍で売上が減少した場合には一定の要件緩和を受けることができるようになっています。

コロナ禍での業績悪化や事業承継がうまくいかないことで廃業を検討されている社長さんのほか、高齢での感染を心配して事業承継を急がれている社長さんもおられると思います。

少しでも多くの社長さんが廃業せずに事業を承継できることを心よりお祈りしています。