年末年始に従業員が帰省家族と接触した場合の労務管理Q&A②

2021年6月30日

Q. 年末年始に従業員宅に帰省してきた家族が新型コロナウイルスに感染していることが判明し、その従業員が濃厚接触者であると保健所に判断された場合にはどのような対応をとればよいか?

A. 従業員が濃厚接触者であると保健所に判断された場合には、保健所の指示に従って感染防止の措置を講じることになります。保健所は、濃厚接触者に対して、PCR検査の結果が陰性であったとしても、原則として14日間の健康観察を求めるため、会社としては、その従業員に発熱や咳などの症状が見られなくても、業務命令として自宅待機を命じるか、可能であれば、在宅勤務を命じることになります。

この場合の自宅待機は、休業させることを意味しますが、この休業は保健所からの要請に基づくもの(会社としては不可抗力の休業)であり、労働基準法第26条の「使用者の責に帰すべき事由による休業」に当たらないため、原則として、休業手当(平均賃金の60%以上)を支払う義務はありません。

ただし、その従業員を在宅勤務などの方法によって引き続き業務に従事させることが可能な場合には、そのことを十分に検討するなど、会社として休業を回避する努力を尽くしていなければ、「使用者の責に帰すべき事由による休業」と判断されて、休業手当の支払いが必要になることもあります。

このため、従業員が濃厚接触者であると判断された場合には、まずは、その従業員に在宅勤務をさせることが可能であるのかどうかを検討する必要があります。

在宅勤務をさせることが可能であれば、在宅勤務を命じて、その間は通常どおりの賃金を支払うことになりますし、それが無理であれば、自宅待機を命じることになります。

自宅待機を命じる場合の休業手当については、上記で説明した支払い義務にかかわらず、労使間で十分に話し合って、従業員が安心して休むことができるような取り扱いをすることが望まれます。

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