雇用に関する助成金は社労士に依頼した方がいい理由

2024年3月4日

助成金の申請代行 雇用に関する助成金は社労士に依頼した方がいい理由

そもそも、雇用や労働環境の改善に直結する厚生労働省の助成金の代理申請は、社労士の独占業務です。

経営者や労務管理担当者が自ら申請を行うことも可能ですが、助成金申請には専門知識が必要かつ、失敗すると受給ができないこともあり得ます。今回は、社内にノウハウをお持ちではない場合の対応方法と、社労士にできることについて解説いたします。

助成金の管轄と、補助金との違い

助成金には確かな定義はありませんが、企業が申請するものは厚生労働省管轄の助成金を指すことが多いでしょう。

厚生労働省管轄の助成金

雇用保険料を財源として、雇用の安定、雇用の促進などの目的のために再分配されるお金です。企業に資金を提供し、雇用や職場環境などの問題解決の支援を目的とされています。景気悪化で雇用が確保できなくなった、テレワーク導入のための費用がほしい、などという企業が支援対象となります。

(一例)

  • 雇用調整助成金
  • 業務改善助成金
  • 人材確保等支援助成金
  • 働き方改革推進支援助成金
  • 産業保健関係助成金
  • 産業雇用安定助成金
  • トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)
  • キャリアアップ助成金(正社員化コース)
  • 労働移動支援助成金(再就職支援コース)
  • 労働移動支援助成金(早期雇入れ支援コース)

補助金との違い

助成金と混同されがちなのが補助金です。補助金は主に経済産業省管轄の給付制度を指しており、新規事業やサービス開発などを促進する目的に利用されます。補助金は企業に限らず、一定の要件を満たした個人でも受け取れるという特徴がありますが、採択式で全体予算に上限があるため、必ず受給できるとは限りません。一方で助成金は、申請時の要件をはずさなければ受給できます。

雇用関係の助成金を受給するための労務管理

助成金の種類によって多少異なりますが、以下の労務管理や条件が整っていなければ、助成金を申請することができません。

  1. 賃金台帳や出勤簿など必要な書類が整備されている
  2. 就業規則が整備されている
  3. 1年間に労働法違反がない
  4. 2年間の労働保険料の滞納がない
  5. 性風俗・暴力団関係者等ではない
  6. 3年間に不正受給がない

助成金はそもそも雇用保険料から支払われるため、「雇用保険適用事業所の事業主」でなければ受給できません。ただし雇用保険適用事業所であっても、一定期間に労働保険料を滞納しているなどの場合は受給制限がかかるため注意が必要です。


雇用関係の助成金を受給する4つのメリット

助成金申請には手間がかかるため、申請を控えている事業主も多いかと思いますが、助成金の受給にはさまざまなメリットがあります。

補助金より受給しやすい

採択制の補助金と違い、助成金は申請時の要件が満たされていれば受給できます。そのため申請時の手順が少なく、通年で申請ができるということもあり、申請から受給までの流れは補助金よりスムーズといえるでしょう。

返済しなくてもいい

受給したお金を返済しなくていいことが、銀行からの融資や借金との大きな違いです。助成金は「雇用保険料を正しく納めている事業主が活用できる、雇用や労働環境改善のための支援金」という建て付けですから、返済の必要はありません。また助成金は、会計帳簿上は雑収入として計上されます。

受給金額が増額されることある

厚生労働省の定める「生産性要件」を満たした事業所は、助成金額が増額されるケースもあります。たとえば「地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース)」、「労働移動支援助成金(早期雇入れ支援コース)」などが対象になります。それ以外にも対象助成金があるため、専門家にたずねてみることをおすすめします。

従業員満足につながる

助成金申請の過程では「就業規則の整備」「勤怠管理の整備」などが必要になるため、申請をすることで自然と労働環境が整っていきます。結果、従業員の働きやすさが向上し、採用や定着にもよい影響を与えられると期待できます。


助成金申請の流れ

ここからは助成金申請の流れを解説します。

STEP1
申請する助成金を決める

 

STEP2
実施計画の申請を行う

実施計画とは「支給要件に沿った具体的な事業計画」を指します。資料のひな形は厚生労働省サイトからダウンロードできます。

STEP3
計画を実施する

助成金には事業実施期間があり、期間内での取り組みが求められます。現場の状況によって進み方は変わるため、実施は早めに着手してください。厚生労働省が事業実施期間を延長することもあるため、常に最新情報に触れておきましょう。

STEP4
支給申請を行う

取り組みが完了後、必要書類を取り揃えて申請を行います。書類は助成金によって異なります。厚生労働省サイトなどで、抜け漏れがないように確認してください。申請も期限内に行います。

STEP5
受給する

支給が決定すると、金融機関に振り込まれます。支給決定から入金はすぐに行われるわけではないため注意してください。
※もちろん要件を満たさなかった場合は不支給となります。


雇用関係の助成金申請を代行できるのは、社労士だけ

助成金申請の手続きは煩雑で、知識がなければ時間がかかるため外部に申請代行を依頼するケースが多いと思われます。

ここで注意いただきたいのは、「雇用や労働環境の改善に直結する厚生労働省の助成金の代理申請は、社労士の独占業務」であるということです。申請代行業者を探す際には、申請を社労士が行ってくれるかどうかを確認してください。

経営者や労務管理担当者が自ら申請を行うことも可能ですが、助成金申請には専門知識が必要かつ、失敗すると受給ができないこともあり得るため、社内にノウハウをお持ちではない場合は社労士にご依頼ください。

【社労士に依頼するメリット】

自社のニーズに合った最新の助成金を教えてくれる

助成金の種類は多く、コースまで分けると約60種類以上。その中から受給要件や申請期間などを調べ、自社に合った助成金を選択するには時間もコストもかかります。しかし社労士は日頃から助成金情報をインプットし、国から出る知らせなどにも精通しています。顧問契約している社労士であれば事業所の状況をより詳しく把握しているため、事業所ごとに適切な助成金が案内できます。

期限内に、正しく申請してくれる

助成金では申請期限を守ることが重要で、ミスがあれば不支給となってしまいます。しかし期限までに種類を揃え、正しく申請を終わらせるには相応の経験と知識が必要です。また助成金は常に要件などが変更されていくため、今年申請した助成金が来年もあるとは限りません。助成金に詳しい社労士ならの情報を早い段階で把握し、柔軟な提案とともに期限内の申請が可能です。

経営者や担当者のリソースを本業に使える

助成金を選び、申請する作業を繰り返していては、通常業務に差し障りが出てきます。しかしキャリアアップ助成金などでは「要件を満たしたらすぐに申請作業が必要」になることもあります。助成金申請という不慣れな業務に人件費を使うのではなく、社労士に依頼して時間リソースの無駄使いを避けることをおすすめします。

不支給の事例と、回避策にも詳しい

助成金は100%受給できるとは限りません。不支給の原因の多くは、支給要件の解釈の相違や、想定外の事実の発覚などが多く、これは自社のケースだけでは対応できないことが多いでしょう。経験の多い社労士は不支給事例をよく知り、行政からの情報も取得しやすいため、不支給リスクを回避するためのノウハウを持っているといえるでしょう。

一番のメリットは「自然と労働環境が整う」こと

ここまで助成金申請について解説をしてきましたが、社労士に依頼するメリットは、受給の可能性が上がることに加えて「自然と労働環境が整う」ことだと理解いただければ幸いです。

はじめて助成金を申請する企業には、就業規則の整備や賃金台帳、出勤簿の管理などは「こんなことも必要なのか」と思われるかも知れません。しかし労務管理の土台が整っていない企業に、国が追加でお金を渡すことはありません。

助成金申請に必要な労務管理は、助成金のために整えるのではなく「最低限必要な労務管理」だと捉え、いい機会として活用いただくことをおすすめしております。

助成金申請をきっかけに社内の課題解決が進んだり、採用や定着によい影響が出たケースが数え切れないほどあげられます。このような課題発見や解決策の提示は、申請だけを請け負っていてはできない専門領域でもあります。ここに、助成金申請代行を社労士事務所に依頼する最大のメリットがあるといえるでしょう。


雇用に関する助成金申請を、プロに任せてみませんか

社外に依頼するときは、その道のプロに任せなければ意味はありません。
実績と専門性を求めるなら、当事務所にご依頼ください。

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経営にはお金が必要です。日頃から労務管理を行い、正しく雇用保険料を納めているのであればそれを財源とした助成金を受給して経営を進めることは、とても有益な行動と言えるでしょう。

社会保険労務士に助成金を依頼することで、単なる受給にとどまらない「働く環境の底上げ」「売上アップにも繋がる労務管理改善のご提案」が可能になります。プロの視点で申請代行以外のサポートのご提案もしておりますので、まずはご希望をお聞かせください。

所長解説

プロの視点で申請代行以外のサポートのご提案もしておりますので、まずはご希望をお聞かせください。