鈍化を楽しもう -BANI時代の歩き方-

AI時代 効率の先にある「純化」とは

現代は「BANI(バニ)」の時代だと言われます。
世界の仕組みが「脆く(Brittle)」、人々の「不安(Anxious)」が募り、物事が「非線形(Non-linear)」に連鎖し、予測も「不可解(Incomprehensible)」な……そんな時代です

AIによって淘汰される職業は、士業やコンサルタント、さらには時代の寵児であったプログラマーまでもが含まれるようになっています。
これまで「安泰」と信じられてきた高度な専門職すら代替され始めた今、私たちの胸にある「仕事がなくなる」という懸念は、もはや漠然とした不安ではなく、切実な恐怖へと変わりつつあります。

しかし、この変化をただ恐れるだけで終わらせてはいけません。足元が揺らぐ不確実な時代だからこそ、学ぶべき教訓は、「特定の専門知識(法律だけ)にしがみつくことこそが、最大のリスクである」ということです。


何ができるか(Doing)」という機能的価値は、いずれAIが上書きします。
しかし、「誰であるか(Being)」という人間的価値は、誰にもコピーできません。

社会哲学者、エリック・ホッファーはこう言いました。

「激動の時代においては、学ぶ者が未来を継承する。
学ぶのをやめた者は、かつて存在した世界で生きるために美しく装備された人になる」

過去の栄光に固執せず、変化を楽しみ、AIにはできない「人の心の機微」や「納得感」を作り出すことを学び続ける。それこそが、職業の名前にとらわれず、必要とされ続ける唯一の道です。


■ 事務作業の先にある「人間らしい仕事」への純化

AIが書類を秒速で作成し、複雑な手続きを正確にこなす時代。それは仕事が奪われるのではなく、仕事の「中身」が、より人間らしいものへと「純化」していくプロセスでもあります。

AIは完璧な書類を作れますが、それを社員に提示した瞬間に漂う「不満の表情」や、職場の「微妙な空気感」までは読み取れません。

ならば、以前は「書類作成9:相談1」だった社労士の仕事を、混じりけのない「相談10」へと純化させる。
経営者や組織のカウンセラーとして、AIには代替できない「納得感」の醸成に向き合う。これこそが私たちの役割です。


■ 効率を捨てた「納得感」が、組織を動かす

AIが秒で出す「正解」よりも、経営者と社労士が1時間かけて悩み、泥臭く対話して導き出した「納得感」の方が、組織を動かす実行力としては遥かに強いものです。

効率を極めきった最後に残るのは、決して無駄を省くことのできない「ドロドロした人間関係の調整」や、一人ひとりの「心のケア」です。この効率の悪い、いわば「鈍化した時間」にこそ、会社を根底から支える信頼関係が宿ります。


■ 共に悩み、未来を創るパートナーとして

弊所は事務作業の代行者ではありません。答えのない不安を抱えるリーダーの横で、共に悩み、言葉を尽くし、社員が心から納得して動ける組織を創り上げる伴走者です。

効率化のその先にある、人間らしい「手触り感」のある経営へ。
この不透明な時代を、あえて「鈍化」を楽しみながら共に歩んでいきませんか。

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