在職老齢年金が支給停止になる基準額の引き上げについて

2023年10月31日

Q. 今年の4月から、60歳以上65歳未満の方の在職老齢年金が支給停止になる基準額が引き上げられたと聞きました。この取り扱いの詳細について教えてください。

A. 今年、令和4年4月から年金制度についていくつかの見直しが行われています。その1つが、60歳以上65歳未満の方が受給する在職老齢年金の支給停止基準額の引き上げです。

在職老齢年金とは

在職老齢年金とは、60歳以上で仕事をしながら受給する老齢厚生年金のことを言いますが、これまでは、その方の基本月額と、総報酬月額相当額の合計額が、60歳以上65歳未満の方であれば、28万円、65歳以上の方であれば、47万円を超えると、年金額の一部または全部が支給停止することになっていました。

基本月額

  • 老齢厚生年金額(加給年金を除く)÷12

総報酬月額相当額

  • 「その月の標準報酬月額」+「その月以前1年間の標準賞与額の合計額」÷12

年金制度の見直しについて

政府としては少子高齢化が進む中でもう少しシニア層に頑張ってもらいたい、具体的には60歳以上65歳未満の方で、まだまだ第一線で働けるにもかかわらず、28万円を超えないように働く時間を短くするなど調整している方にもっと働いてもらいたいという意図があります

60歳以上65歳未満で仕事を続ける方にとっても、雇用する側にとっても、今後、どのように働くのか、働いてもらうのかについてあらためて考える必要があると言えます。


さらに詳しく…

在職老齢年金の一部または全部が支給停止になる基準額について

あらためて、在職老齢年金の一部または全部が支給停止になる基準額について、今年の3月以前と4月以降で比較すると、次のようになります。

今年の3月以前と4月以降で比較すると

令和4年3月以前

60歳以上65歳未満基本月額+総報酬月額相当額 > 28万円
65歳以上基本月額+総報酬月額相当額 > 47万円

令和4年4月以降

6歳以上基本月額+総報酬月額相当額 > 47万円

今回説明した60歳以上65歳未満の方の支給停止基準額が47万円となるのは、男性は昭和36年4月1日までに生まれた方、女性は昭和41年4月1日までに生まれた方です。

厚生年金の受給開始年齢の段階的引き上げについて

「特別支給の老齢厚生年金」の設置

昭和60年の法改正で厚生年金の受給開始年齢が60歳から65歳に引き上げられたものの、受給開始年齢を段階的、かつ、スムーズに引き上げるために60歳以上65歳未満の方が受給できる年金、いわゆる「特別支給の老齢厚生年金」が設けられ、男女別に定められた生年月日ごとに受給開始年齢が60歳から64歳に段階的に引き上げられることになっていますまた、最終的に男性は昭和36年4月2日以降に生まれた方、女性は昭和41年4月2日以降に生まれた方については支給されず、その後に生まれた方の年金の受給開始年齢は一律65歳になっているからです。

令和4年4月からの年金制度の改正について

年金制度改正法(令和2年法律第40号)等の施行により年金制度の一部が改正されました。

今年の4月から実施されている年金制度の改正については、今回、説明した60歳以上65歳未満の方の在職老齢年金の支給停止基準額の引き上げだけではなくほかにもあります。

詳細については、日本年金機構のホームページでご確認ください。

労務相談、給与計算、就業規則の改訂等…のご相談はこちら 
鹿児島の特定社会保険労務士に相談する!

補助金・助成金活用、労務相談、就業規則の改訂などお気軽にご相談ください。

各種ご相談、お問い合わせはこちら↓