労務管理の注意点〜業績悪化により従業員を解雇する場合〜

2021年5月8日

従業員を解雇する場合の注意点

現在のコロナ禍でもそうですが、業績が悪化した場合、様々な経営努力をしても改善の兆しが見えなければ、従業員の解雇を検討せざるを得ない場合があります。

今回は、業績悪化によって従業員を解雇する場合の注意点について解説したいと思います。

労働契約法第16条では、「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」とされており、解雇には「客観的に合理的な理由」と「社会通念上相当である」ことが求められています。

また、業績悪化による解雇は、一般的に整理解雇と言いますが、この整理解雇が有効なものと認められるためには、過去の判例などから、原則として次の4つの要件を満たさなければならないとされています。

※次の4つ要件をすべて満たさなくても、総合的に判断されて合理性が認められる場合もあります。

①人員削減の必要性
人員削減を行うのは、不況や経営不振などが理由であり、企業として十分な必要性があること。

②解雇回避の努力
配置転換を行ったり、希望退職者の募集をしたりなど、解雇を回避するために努力したこと。

③人員選定の合理性
解雇する人員の選定基準が客観的かつ合理的であること。

④解雇手続きの妥当性
労働組合または労働者に対して、解雇の必要性とその時期、規模・方法について納得を得るために説明を行ったこと。

なお、業績が悪化した場合に、正社員ではなく、まず、アルバイトやパートタイムなどの非正規従業員から先に解雇を検討することがありますが、その対応は、上記③の「人員選定の合理性」に関しては一定の合理性があるとも言えます。

しかしながら、上記の考え方は、原則として、正社員であるかアルバイトなどであるかを問わず、共通して適用されますので注意が必要です。