短時間正社員制度を導入するメリット・デメリット
Q. 最近、短時間正社員制度を導入している企業が増えているという話を聞きますが、この制度を導入するメリット・デメリットを教えてください。
A. 短時間正社員について、厚生労働省ではフルタイム正社員と比較して1週間の所定労働時間が短い正社員であって、次のいずれにも該当する社員と定義されています。
- 期間の定めのない労働契約(無期労働契約)を締結している
- 時間当たりの基本給及び賞与・退職金等の算定方法等が同種のフルタイム正社員と同等
この短時間正社員制度を導入することによる、企業と短時間正社員として雇用される者のメリット・デメリットとしては、次のようなことが挙げられます。
短時間正社員制度を導入する企業のメリット・デメリット
企業のメリット・デメリット
メリット | ・育児や介護のほか様々な事情によりフルタイムでは働けなくなった 従業員の離職を防ぐことができる。 ・フルタイムでは働けない事情がある優秀な人材を採用できる。 ・企業のイメージアップにつながる。 |
デメリット | ・給与や賞与、退職金など、適用する処遇が複雑になる。 ・どのような業務をどの範囲まで担当させるのかの調整が難しい。 ・上記の調整を誤ると、フルタイム正社員の負担が増える可能性がある。 |
短時間正社員のメリット・デメリット
メリット | ・給与や賞与、退職金などの算定方法がフルタイム正社員と 同等になることで処遇が向上する。 ・ワークライフバランスを保つことができ、 自身の事情に合わせて働くことができる。 ・無期雇用であるため、安心して働くことができる。 |
デメリット | ・給与などの算定方法がフルタイム正社員と同等になっても、 所定労働時間が短いため、実際に受け取れる額はフルタイム正社員よりも低額になる。 ・社内でフルタイム正社員から短時間正社員に転換した者については、 担当業務が補助的なものに変えられる可能性がある。 ・フルタイム正社員よりも効率的に業務を進める努力が求められる可能性がある。 |
そもそも、育児・介護休業法第23条では、3歳に満たない子を養育する労働者であってその者が育児休業を取得していない場合、また、家族の介護を行う労働者であってその者が介護休業を取得していない場合には、その労働者が希望すれば、企業としては所定労働時間の短縮などの措置を講じなければならないことになっています。
厚生労働省が推奨している短時間正社員制度とは
この義務に対応するために短時間正社員制度を設けている企業も多いですが…
育児や介護と仕事を両立したい方だけに限らず、諸事情により決まった日時だけ働きたい方や、定年後も働き続けたい高齢者、また、キャリアアップを目指すパートタイムの方など、様々な人材に活躍してもらうための制度です。
短時間正社員制度の導入が推奨される理由
少子高齢化により労働力人口が減少しているため、企業として存続していくためには様々な事情によりフルタイムでは働けない者も積極的に活用していかなければならないからです。
ただし、この短時間正社員制度を導入してもうまく機能しなければ、上記で説明したとおり、フルタイム正社員の負担が増えるだけのものになってしまう可能性があります。
制度の導入にあたっては、企業として短時間正社員制度を導入する目的や、短時間正社員に期待する役割、また、適用する労働条件などをあらかじめ明確にしておく必要がありますので注意してください。
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