懲戒処分の「けん責」は、「将来を期待して戒める」もの
懲戒処分の「けん責」に焦点を当て、従業員の反省を促し再発防止につなげる方法を解説。社会保険労務士が、適切な懲戒の重要性と公平な職場環境の維持についてアドバイスします。
懲戒処分とは…
従業員が会社のルールに違反した際に会社が取ることができる措置のことです。
種類は企業によってマチマチですが、「注意」から始まって「懲戒解雇」で終わるのが大半です。段階は8段階から5段階ぐらいが多いと思います。
懲戒の中の「けん責」は、反省文を書面で提出させる処分となります。
私はこれを、企業にもっと活用してほしいと感じています。
働いていると、ミスや失敗はだれしもあることです。しかしながら、見過ごしてはいけないような重大なミスには、この「けん責」で、反省文を提出してもらいましょう。失敗を本質的に理解できているかを、推し量ることができるからです。もしも、本質的な理解ができていないときは、再度話し合うきっかけになり、再発防止に効果的です。
「懲戒処分」については、次のような注意点があります。
- 事案に対して厳しすぎないこと
- 公平であること
- 本人の話をよく聞くこと
様々な裁判例では、従業員が商品を盗んだとして会社により解雇が不当であると判断され、従業員が職場に復帰するという裁判例もあります。従業員が職場に復帰するとなると、復帰するまでの賃金や慰謝料などの負担が発生します。多額の金銭的負担が発生することになります。よって、懲戒処分は適切でなければなりません。懲戒処分を決める際には、従業員の行動、過去の事例、会社のルールを総合的に考慮する必要があります。
社会保険労務士としての私たちの役割は、会社が公平な懲戒処分を行えるようサポートすることも業務のひとつです。私たちは、就業規則の作成やアドバイスを通じて、問題が起きた際に、会社と従業員がどのように対応すべきかを、御相談して決めて参ります。会社と従業員の両方にとって、最良の着地点を見つけるためのお手伝いをします。
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