新型コロナ・雇用保険(基本手当)の特例について

2023年9月1日

新型コロナによる離職の雇用保険の特例制度
新型コロナによる離職の雇用保険特例制度

新型コロナウイルス感染症(以下、「新型コロナ」)の影響を受けて、多くの労働者が倒産や解雇、また、感染したことなどを理由に離職を余儀なくされています。

今日は、新型コロナの影響を受けて離職した場合、雇用保険の基本手当(いわゆる失業保険)にどのような特例が設けられているのかなどについてご紹介していきたいと思います。

現時点において、新型コロナの影響を受けて離職した者の基本手当については次のような特例が設けられています。

1. 給付制限が適用されない

令和2年2月25日以降に、次の理由によって離職した者については、「特定理由離職者」(※)として、3か月間の給付制限は適用されません。

※「特定理由離職者」とは、一般的には、雇い止めや転居、婚姻などの正当な理由のある自己都合離職者のことを言います。

①同居の家族が新型コロナウイルス感染症に感染したことなどにより看護または介護が必要となったことから自己都合退職した場合

②本人の職場で感染者が発生したこと、または、本人もしくは同居の家族が基礎疾患を有すること、妊娠中であることもしくは高齢であることを理由に、感染拡大防止や重症化防止の観点から自己都合退職した場合

③新型コロナウイルス感染症の影響で子(小学校、義務教育学校(小学校課程のみ)、特別支援学校(高校まで)、放課後児童クラブ、幼稚園、保育所、認定こども園などに通学、通園するものに限る)の養育が必要となったことから自己都合退職した場合

2. 特定受給資格者になる

令和2年5月1日以降に、上記②の理由により離職した者については、給付制限が適用されないことに加え、「特定受給資格者」(※)として基本手当の給付日数が手厚くなる場合があります。

※「特定受給資格者」とは、一般的には、倒産や解雇などによって退職を余儀なくされた者のことを言います。

3. 給付日数が延長になる

令和2年5日26日(緊急事態宣言解除後)以降に、新型コロナの影響によって離職を余儀なくされた「特定受給資格者」および「特定理由離職者」(雇い止めの場合に限る)については、給付日数が原則として60(※)延長されます。

※30歳以上45歳未満で所定給付日数が270日の者、および、45歳以上60歳未満で所定給付日数が330日の者については30の延長になります。

なお、上記に該当する者については、離職証明書に次のように記載することになっていますので注意してください。

離職証明書に記載する離職理由
離職証明書に記載する離職理由

【出典】離職証明書の作成に当たっての留意事項 〜新型コロナウイルス感染症の影響により離職した場合〜/厚生労働省

この給付日数の延長については、令和2年5日25日以前に新型コロナ以外の理由で離職した者についても、令和2年6月12日(改正法施行日)以降に基本手当の受給が終わる者であることなどの要件を満たせば、対象になる場合があります。

【参考】新型コロナウイルス感染症等の影響に対応した給付日数の延長に関する特例について/厚生労働省