ホームヘルパーの労務管理、労働時間の考え方について

2023年9月1日

ホームヘルパーの労務管理

労働時間の管理が難しい業種や職種としては、建設業で働く方や営業職などいくつか挙げられますが、ホームヘルパー(訪問介護労働者)さんも直行・直帰があったり、1日のうちに複数の利用者宅を訪問したりするなど、どこからどこまでを労働時間と判断すればよいのかがわかりにくい職種であると言えます。

今日はホームヘルパーの労働時間の考え方についてお話ししたいと思います。

ホームヘルパーの労働時間の考え方については、少し古いですが、厚生労働省の「訪問介護労働者の法定労働条件の確保のために」(平成16年8月27日付け基発第0827001号)という通達で次のように示されています。

訪問介護労働者の法定労働条件
訪問介護労働者の法定労働条件

【出典】訪問介護労働者の法定労働条件の確保のために/厚生労働省

上記を簡単にまとめると、次のような整理になります。

・自宅から利用者宅へ直行している時間、また、利用者宅から自宅へ直帰している時間は

労働時間ではなく通勤時間である。

・直行の場合の業務開始時間は、利用者宅でサービスの提供を開始した時間であり、

直帰の場合の業務終了時間は、最後の利用者宅でサービスの提供を終了した時間である。

・利用者宅から事業場(会社)へ移動している時間、また、利用者宅から次の利用者宅へ移動している時間は労働時間である。ただし、その移動の前後に労働者が自由に利用できる空き時間がある場合にはその時間は労働時間とする必要はない。

労働時間の考え方のポイントは上記のとおりですが、特に、利用者宅から次の利用者宅への移動時間については実際にサービスを提供している時間ではないので労働時間に含めなくてよいと誤解されている経営者様も少なくありません。

通勤時間と違って移動時間は労働時間に含まれますので注意してください。