労働条件の引き下げ
労働組合より労働条件の引き下げの指摘を受けたX社の事例(対 労働組合)
X社:40年来、建設業を営む老舗企業
ある日、労働組合より団体交渉を行う旨の通知がFAXにて突然流されてきた。
団体組合からの要求は30項目に及んだ。30項目の中身で最も厄介だと思われたのは、労働条件の引き下げであった。
労働組合の役員となったC氏は自主都合で退職した元従業員であり、退職後X社に対し団体交渉を申し入れてきた。
C氏は、在職当時、現場責任者の任にあったが、現場責任者を任せられる技能がなく、現場責任者を任せるのは、年に1度程度であった。
現場責任者が不足し、C氏に現場責任者を任せたときに、現場責任者手当を支給した。作業期間の5ヶ月が経過し、現場が終了したため、現場責任者手当は支給されなくなった。その後、3年が経過し、C氏はX社を自主都合で退職した。
問題の「現場手当」を労働組合の要求通りに計算すると、90万円となった。
現場責任者手当は、現場の責任者に支給されていたが、多少、支給基準があいまいな部分があった。
当社スタッフ立ち合いの上での団体交渉の結果、30万円程度まで引き下げることができ、無事に交渉を終了することができた。
当事務所からのワンポイントアドバイス
- 就業規則により、諸手当の支給基準を明確化する。
- 従来の慣行を見直すとともに、様々な工夫をし、労働時間の削減に努める。
- 労働組合からの要求は様々なものがある。話し合いの姿勢は大切であるが、企業体力に合わないものもあるので、無理をしてはいけない。