トラック運転手の2024年問題、運送・物流会社で求められる対応

2021年10月14日

トラック運転手を含む自動車運転の業務の2024年問題
トラック運転手を含む自動車運転の業務の2024年問題

Q.トラック運転手のいわゆる2024年問題について、運送・物流会社として具体的にどのような対応が求められているのでしょうか?

A. 政府の働き方改革によって導入された時間外労働の上限規制が2024年4月1日からトラック運転手を含む自動車運転の業務にも適用になります。

恒常的に時間外労働が多く、人材不足でもある自動車運転の業務において、時間外労働を削減していくためには様々な業務効率化の取り組みを進めていくことが必要です。

働き方改革によって導入された時間外労働の上限規制について

時間外労働の上限規制は、一般業種の大企業については2019年4月1日から、中小企業については2020年4月1日から既に適用されています。
自動車運転の業務や建設事業、医師については、恒常的に時間外労働が多く、人材不足でもあることから、一般業種の大企業への適用から5年間適用が猶予されており、2024年4月1日から適用されることになっています。

自動車運転の業務に適用される時間外労働の上限とは

  1. 時間外労働の上限は、労働基準法上、原則として月45時間・年360時間です。
  2. 臨時的な特別の事情があって労使間で合意がある場合(特別条項を付記した36協定を締結する場合)でも、年960時間(休日労働は含まない)となります。

※これまで、トラックやバス、ハイヤー・タクシーの運転手の労働時間の考え方などについては、「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(平成元年2月9日・労働省告示第7号)」(一般的に「改善基準告示」と言われています。)で示されていましたが、あくまで告示(国や地方公共団体などがある事項を広く一般に知らせること)であるため、強制力はありませんでした。

なお、上記の時間外労働の上限規制に違反した場合には、罰則(6か月以下の懲役または30万円以下の罰金)を科される可能性もありますので十分注意してください。


さらに詳しく…

トラック運転手などを抱える運送・物流会社では、恒常的に時間外労働が多く、人材不足でもあるので、時間外労働を削減していくために業務効率化を進めていくことが必要です。また、少しで多くの人材を獲得するために待遇改善や多様な働き方に対応できるようにしていくことが求められています。

時間外労働の上限規制に対応するための具体的な取り組み

「トラック運送業界の働き方改革実現に向けたアクションプラン」

公益社団法人全日本トラック協会では、業界において長時間労働の是正など、働き方改革を推進するため、2018年3月に「トラック運送業界の働き方改革実現に向けたアクションプラン」というものを策定しています。業界、企業の総力を結集して次の取り組みを実行していくとされています。

①労働生産性の向上・荷待ち時間、荷役時間の削減
・高速道路の有効活用
・市街地での納品業務の時間短縮
・中継輸送の拡大
②運送事業者の経営改善・ドライバーの処遇改善
・経営基盤の強化
③適正取引の推進・契約の書面化、荷待ち時間の記録化
・適正運賃や料金の収受
・元請け機能や役割の強化
・下請けの受託条件の適正化
・コンプライアンス経営の強化
④多様な人材の確保・育成・女性や高齢者も働きやすい職場、会社づくり
・働き甲斐のある職場、会社づくり
・序悪念労働力確保に向けた取り組み
「トラック運送業界の働き方改革実現に向けたアクションプラン」による具体策

適正な料金を受け取るためのルール作り

運送・物流会社においては、長時間労働の是正について自社だけでは対応できないこともあります。

例えば、「荷待ち」による待機では、トラック運転手が、荷主側の都合で待ち時間が発生し、それが長時間労働につながることが多く、国土交通省が長い待ち時間を発生させている荷主側に是正勧告を行うことがあります。

また、「標準貨物自動車運送約款」というもので、「荷待ち」に対する対価を「待機時間料」や、「取卸し」に対する対価を「積込料」や「取卸料」として規定するなど、運送・物流会社が荷主側から適正な料金を受け取るためのルール作りも進められています。

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