建設事業の2024年問題、建設会社で求められる「働き方改革」への対応

2023年10月31日

建設事業の2024年問題
建設事業の2024年問題

Q.建設事業のいわゆる2024年問題について、建設会社としては具体的にどのような対応が求められているのでしょうか?

A. 政府の働き方改革によって導入された時間外労働の上限規制が2024年4月1日から建設事業にも適用になります。建設事業に適用される時間外労働の上限は、原則としては既に一般業種の企業に適用されているものと同様です。

恒常的に時間外労働が多く、人材不足でもある建設業において、時間外労働を削減していくためには様々な業務効率化の取り組みを進めていくことが必要です。

働き方改革によって導入された時間外労働の上限規制について

時間外労働の上限規制は、一般業種の大企業については2019年4月1日から、中小企業については2020年4月1日から既に適用されています。
建設事業や自動車運転の業務、医師については、恒常的に時間外労働が多く、人材不足でもあることから、一般業種の大企業への適用から5年間適用が猶予されており、2024年4月1日から適用されることになっています。

建設事業に適用される時間外労働の上限とは

建設事業に適用される時間外労働の上限は、原則としては既に一般業種の企業に適用されているものと同様です。

  1. 時間外労働の上限は、原則として月45時間・年360時間とし、臨時的な特別の事情がなければこれを超えることができない。
  2. 臨時的な特別の事情があって労使間で合意がある場合(特別条項を付記した36協定を締結する場合)でも以下を守らなければならない。
  • 時間外労働(休日労働を含まない)は年720時間以内
  • 時間外労働と休日労働の合計は月100時間未満
  • 時間外労働と休日労働の合計について、「2か月平均」「3か月平均」「4か月平均」「5か月平均」「6か月平均」が全て1月当たり80時間以内
  • 時間外労働が月45時間を超えることができるのは年6か月が限度

※災害の復旧や復興の事業については、「時間外労働と休日労働の合計は月100時間未満」および「2〜6か月平均が全て1月当たり80時間以内」の規制は適用されません。

なお、上記の時間外労働の上限規制に違反した場合には、罰則(6か月以下の懲役または30万円以下の罰金)を科される可能性もありますので十分注意してください。


さらに詳しく…

恒常的に時間外労働が多く、人材不足でもある建設業において、時間外労働を削減していくためには様々な業務効率化の取り組みを進めていくことが必要ですし、1人あたりの時間外労働が増える要因でもある人手不足を解消するために待遇改善や多様な働き方に対応できるようにしていかなければなりません。

時間外労働の上限規制に対応するための具体的な取り組み

①業務効率化

例えば、各種ITツールを導入する、無駄な業務フローをなくす、事務的な作業は外注することなどが挙げられます。

②より多くの人材を獲得する

例えば、待遇を見直す(向上させる)、福利厚生を充実させる、多様な働き方に対応できるようにすることなどが挙げられます。

③参考「建設業働き方改革加速化プログラム」による取り組み

国土交通省では、建設事業における働き方改革を推進するため、2018年3月に「建設業働き方改革加速化プログラム」というものを策定しています。時間外労働の上限規制への対応だけに限らず、官民一体の次のような取り組みを行っていくことが必要であるとしています。

①長時間労働の是正に関する取り組み・週休2日制の導入を後押しする。
・各発注者の特性を踏まえた適正な工期設定を推進する。
②給与・社会保険に関する取り組み・技能や経験にふさわしい処遇(給与)を実現する。
・社会保険への加入を、建設業を営む上でのミニマムスタンダードにする。
③生産性向上に関する取り組み・生産性の向上に取り組む建設企業を後押しする。
・仕事を効率化する。
・限られた人材・資機材の効率的な活用を促進する。
・重層下請構造改善のため、下請次数削減方策を検討する。
「建設業働き方改革加速化プログラム」による建設事業における働き方改革を推進するための具体策

建設事業に適用される時間外労働の上限規制や働き方改革への対応」に関するお問い合わせはこちら↓

変形労働時間等について、御社に最適なご提案をさせていただきます
変形労働時間や時間外労働の上限規制、働き方改革に関する問題のご相談は⇒こちら