テレワークに必要な就業規則と社内体制の整備

2021年6月30日

テレワークに必要な社内体制と就労規則の見直し
テレワークに必要な労務管理

テレワークと言えば、これまでは大企業やIT系の企業など一部の企業でしか導入できないものというイメージがありました。しかし昨今はコロナ禍によって、一般の中小企業でも導入が求められています。

今回はテレワークを導入するにあたって、どのような社内体制の整備が必要になるのかを解説したいと思います。
テレワークを導入するためには、テレワーク勤務者の労働時間や健康面など様々な面において、通常勤務者と同様に管理できるようにしなければなりません。

具体的には、次のような労務管理や体制の整備が必要になります。

①就業規則の見直し、または、別規程の整備

テレワークを導入するためには、一般的に、就業規則でその運用方法について規定するか、別にテレワーク勤務規程などを作成することになりますが、いずれにしても次のような点を明確にしておく必要があります。

・テレワークの定義
 導入するテレワークは在宅勤務のことであるのか、いわゆるモバイルワークやサテライトオフィス勤務も含めるのかを明確にしておきます。

・対象者
 テレワークを利用できる従業員の範囲を明確にしておきます。全従業員を対象とする企業もありますし、勤続1年未満の従業員など一部の従業員は対象外とする企業もあります。

・利用申請の方法
 テレワークの利用申請の方法を明確にしておきます。例えば、テレワークを利用する1週間前までに所属長に申請させることなどが考えられます。

・通勤手当
 通勤手当をどのように計算して支給するのかを明確にしておきます。例えば、テレワークの日数によって実費支給とすることなどが考えられます。

・機器の貸与や費用負担
 テレワークに必要な機器を貸与することについて、また、自宅の通信回線や私物パソコンなどを利用させる場合の費用の負担割合について明確にしておきます。

なお、上記はあくまで通常時としての整理であり、コロナ禍のような緊急時には会社の指示によってテレワークをさせることができるようにしておきます。

②労働時間の管理方法

テレワーク勤務者の労働時間をどのように管理するのかについては、例えば、クラウド型の勤怠管理システムなどを導入して、パソコンやスマートフォンで始業・終業時刻を打刻させることが考えられます。
昔ながらの方法としては、始業・終業時にメールや電話で上司に報告させることなども考えられますが、双方に手間がかかりますので、あまりお勧めはできません。

また、テレワーク勤務者にはフレックスタイム制や変形労働時間制、裁量労働制など他の労働時間制度を適用させたうえで労働時間を管理する方法もあります。

③長時間労働の対策

テレワーク勤務者は1人で業務を行う環境であるがゆえ、逆に長時間労働になってしまう場合があります。
この長時間労働を防止する対策としては、厚生労働省が作成している「テレワークにおける適切な労務管理のためのガイドライン」では、次のような手法が挙げられています。

・役職者などからの時間外のメール送信を抑制する。
・時間外の社内システムへのアクセスを制限する。
・残業を原則禁止とする。
・長時間労働を行う者に注意喚起する。

④人事評価の見直し

人事評価制度は企業によって異なりますが、業務プロセスや勤務態度などを評価の対象としている場合、そのままの人事評価制度でテレワーク勤務者を評価するためには、業務の見える化を図る必要があります。

ただし、業務の見える化を図っても、通常勤務者と同等に評価することが難しい場合には、通常勤務者も含めて、成果重視の人事評価制度に見直しを検討することも必要です。

⑤業務の見える化

上記の人事評価とも連動しますが、業務の効率化を図るためにも、テレワーク勤務者の業務の見える化を図る必要があります。


例えば、電話やメールではなく、より利用しやすい各種チャットアプリなどで日々、業務の進捗を報告させたり、定期的にWEB会議に出席させたりなど、常時、コミュニケーションを取ることができる体制を整えることが必要です。
その他としては、情報が漏洩しないようにセキュリティ対策を講じる必要もありますし、テレワーク勤務者の作業環境にも配慮(換気設備があるのか、また、照明は一定以上の明るさであるのかなど)しなければなりません。

コロナ禍で、緊急対応としてテレワークを導入した企業も多いと思いますが、そのような企業でもいま一度、問題がないか検証してみてください。

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